井上尚弥さんが、7月25日にWBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチを行います。
これは、井上尚弥さんがスーパーバンタム級に転向してからの初試合となります。
相手は、WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者のスティーブン・フルトンさんです。
「スティーブン・フルトンってどんな選手?」と思ったあなた。
今回の記事では
・スティーブン・フルトンはどんな人?wiki風プロフを知りたい!
・これまでの経歴は?生い立ちが壮絶なのは本当?
・これまでの戦績や獲得タイトルを知りたい?
・スティーブン・フルトンのボクシングスタイルは?
といった部分を主に紹介していきます。
最後まで読めば、7月の試合がさらに楽しみになりますよ!
スティーブン・フルトンwiki風プロフィール
名前:スティーブン・フルトン・ジュニア
(Stephen Fulton Jr.)
生年月日:1994年7月17日
年齢:29歳(2023年7月時点)
国籍:アメリカ合衆国
出身地:ペンシルベニア州フィラデルフィア
身長:169cm
スティーブン・フルトンさんの正式な名前はスティーブン・フルトン・ジュニアといいます。
年齢は29歳ということですが、年齢より大人っぽく見えるように感じますね。
井上選手は今年30歳だから、年齢的には1つ下となるんだね!
海外の方と日本人を比べると日本人は幼く見えるわね、、!
身長は?
スティーブン・フルトンさんの身長は、
169cm
です。
井上尚弥さんは165㎝だからフルトン選手の方が4㎝高いんだね!
リーチは179㎝だって!
がっしりとした体つきや鍛えられた肉体で、実際の身長よりも大きく見えますね!
こうして全身写真で見れば、上半身はだいぶがっしりしていますが、足は意外と細いのですね。
日本に来日した際の公開練習でも「足が意外に細い、、!」と話題になっていたよね。笑
フルトン選手からは全身を使ってすごいパンチが繰り出されるのだから見た目によらないわよ!
体重は?
スティーブン・フルトンさんの体重は、正式には公開されていません。
しかし、スーパーバンダム級の体重は55.34kgまでとなっています。
ボクシングの減量は平均で7kg~12kgだそうです。
そのため、スティーブン・フルトンさんの体重は重くても試合が無い時で67kg程度までだと予想できます。
スティーブン・フルトンの経歴は?生い立ちが壮絶…!
スティーブン・フルトンさんはボクシング選手だということは知っていても、詳しい経歴は知らないという人が多いのではないでしょうか。
【経歴一覧】
【1994年7月17日】貧しい家庭で背中に障害を持って生まれる
【1994年〜2009年】フィラデルフィアの過酷な環境で育つ
【2006年/12歳の時】父にボクシングジムに連れて行ってもらいボクシングと出会う
【2014年/20歳の時】ボクシングプロデビュー
【2019年/25歳の時】IBO世界スーパーバンタム級でチャンピオンに
【2021年/26歳の時】WBOでスーパーバンタム級で世界チャンピオン
【2021年/27歳の時】WBCでも王者になり2団体統一
生い立ちから辿っていくと、壮絶な過去が見えてきました。
生まれた時から現在までの経歴を、時系列に沿って紹介していきます。
背中に障がいを持って生まれる
スティーブン・フルトンさんは、フィラデルフィアで貧しい家庭環境の中4人姉弟の末っ子として生まれました。
フルトンさんが生まれた当時、父は銀行強盗により刑務所に服役中。
女手一つで育てられることになります。
そんなスティーブン・フルトンさんは、生まれながらにして背中に矢尻のような穴ができていました。
先天性の欠損症です。
先天性欠損症とは、出生時に認められる重要な構造的異常のことです。
つまり、名前の通り体のどこかの部分が欠けていたり異常な状態で生まれてくること。
種類は様々で、二分脊椎症などの新景観欠損症や先天性心疾患、口唇口蓋裂などがあります。
先天性欠損症の原因として、以下のデータがあります。
先天性欠損症は妊娠第1三半期に発生し、妊娠の自覚がない場合が多いため、予防には妊娠計画と妊婦検診を受けることが重要である。また、リスク因子として妊娠中の薬剤投与(サリドマイド、イソトレチノイン、バルプロ酸、メトトレキサート、ミコフェノール酸モフェチルなど)、母体の感染症(風疹、水痘など)、母体の状態(妊娠前糖尿病の管理不良など)、喫煙、飲酒などが挙げられ、可能性のあるリスク因子としては肥満、オピオイド投与、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、選択的セロトニン再取り込み阻害薬や職業的曝露などが考えられる。
引用:一般財団法人 国際医学情報センター
フルトンさんの母は、妊娠中にコ●イン中毒の状態だったそうです。
薬剤投与も原因であるということなので、コカ●ンが原因である可能性が高そうです。
貧乏な家庭で生まれ育ったため、治療もできませんでした。
成長していくにつれて穴はふさがっていきますが、背中の大きなあざは残ったままとなります。
幼少期、あざを見られることを気にして10歳ごろまで人前でシャツを脱ごうとはしませんでした。
ボクシングを始めて以降、上半身裸になる機会も増えていきます。
あざを見られるたびに質問されていましたが、「動物園に行ったときにトラに襲われて爪が刺さった。」と誤魔化していたそうです。
嘘だとバレそうな誤魔化し方な気もするけど、フルトンさんなりに気丈に振舞っていたんだろうね。
15歳になるまでに5人の友人がなくなる過酷な環境で育つ
スティーブン・フルトンさんが生まれ育った町はフィラデルフィア。
映画「ロッキー」の舞台としても知られています。
しかし「忘れられた端っこ」という別名があり、貧しい地方でもあります。
また、至る所で銃声が響くほど治安が悪いところなのだそう。
治安の悪さゆえに、学校には金属探知機が設置されているほど。
また、友人も5人亡くしドラッグの売人が徘徊するなど、様々なものから常に怯えなければならない環境でした。
次に命を落とすのは自分かもしれないと、自身の人生に希望を見いだせないまま生活をすることになります。
12歳の時にボクシングと出会い心の支えに
過酷な環境により、憔悴しきっていたスティーブン・フルトンさん。
そんな時、刑務所での刑期を終えた父が帰宅します。
フルトンさんが生まれる前から服役していた為、生まれてから初めての対面でした。
共に過ごすようになった父がフルトンさんを連れて行ったのは、ボクシングジム。
それからボクシングに夢中になるのに、時間はかかりませんでした。
これまでの苦しみ、怒りをボクシングにぶつけ瞬く間に強くなっていきます。
後にスティーブン・フルトンさんは、「ボクシングと父に命を救われた。感謝しかない。」と語っています。
ボクシングにより、スティーブン・フルトンさんの人生に光が差したんだね!
2014年20歳の時にプロデビュー
12歳でボクシングを始めてから、8年間アマチュアとして練習や試合を重ねることになります。
成績は90戦のうちで、75勝15敗という優れた成績でした。
また、ライトフライ級、フライ級、バンタム級の3つの階級で戦いました。
大きな大会だと、全米選手権やナショナル・ゴールデングローブなどに出場しています。
ナショナル・ゴールデングローブは、全米最大のアマチュアボクシング大会だよ!
全米選手権では2位、ナショナル・ゴールデングローブでは優勝といった輝かしい成績を残しています。
オリンピック出場も目指していたようですが、惜しくも出場には至りませんでした。
次のオリンピックを待たずに、プロへの転向を決意します。
そして2014年10月、20歳の時にプロデビューしました。
デビュー戦ではTKOで勝利しています。
2019年25歳の時にチャンピオン
プロデビューから15連勝と負けなしで、強さを見せつけていたスティーブン・フルトンさん。
2019年5月11日のIBO世界スーパーバンタム級王者、パウルス・アムブンダさんとの試合に見事勝利!
チャンピオンとなります。
試合は終始スティーブン・フルトンさんのペースで、ジャッジ3人とも一致で判定勝ちという結果でした。
IBOは国際ボクシング機構のこと。
マイナー団体のため、この時手にしたのはマイナータイトルにあたるんだって。
それでも王者は王者。
それにしても、デビューから負けなしってすごい!
その後、2021年1月23日にWBO世界スーパーバンタム級王者であるアンジェロ・レオさんと対戦。
見事勝利し、王座を獲得しました。
ちなみにこの試合は、新型コロナウイルス感染により2回の延期を経て行われました。
2021年27歳の時に2団体統一チャンピオンへ
2021年11月27日にWBC世界スーパーバンタム級王者のブランドン・フィゲロアさんと対戦。
相手も強く互角の戦いが続き、どちらが勝つかわからない状態に。
判定までもつれ込んだ結果、ここぞというチャンスを逃さず攻撃したスティーブン・フルトンさんに軍配が上がりました。
WBC王座の獲得及びWBO王座の初防衛に成功。
これにより、2団体統一チャンピオンとなります。
その後、2022年6月4日に当時WBA・IBF統一王者のダニエルローマンさん相手に圧勝。
WBC・WBO王座の防衛に成功しました。
2023年7月25日 井上尚弥戦で来日。
2023年5月7日に、アジア人初の4団体統一王者である井上尚弥さんと対戦する予定でした。
しかし、井上尚弥さんの拳の負傷により7月25日に延期となりました。
スティーブン・フルトンさんは、これまで判定勝ちが中心でKO率が低いのと軽量級が欧米での人気が低いことが相まって、王座を手にしてもなかなか知名度が上がることはありませんでした。
「国で尊敬を受け大金を手にするには、最強の相手と戦い勝つしかない。」と自ら説得し、今回の試合に繋がったそうです。
井上尚弥さんはフルトンさんについて、
「身長リーチともに自分よりある選手で、印象としてはジャブを突いて距離を取って判定で勝つ選手。倒すのに難しさがあるというか、今回は勝ちに徹する戦いをしたい」
引用:ボクシングニュース
と分析しています。
チャンピオンになっても、名声を手にしたいと貪欲に挑むスティーブン・フルトンさん。
井上尚弥さんも階級を上げての初試合でのビッグマッチにモチベーションが上がっているそうです。
熱い戦いが予想されますね!
スティーブン・フルトンの戦績と獲得タイトル
スティーブン・フルトンさんは、プロデビューしてからどのような戦いをしていったのでしょうか。
これまで手にしたタイトルと共にまとめました。
フルトンの戦績は?一覧まとめ!
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2014年10月4日 | 〇 | 2R | TKO | イサック・バジャー | アメリカ | プロデビュー戦 |
2 | 2014年11月20日 | 〇 | 4R | 判定 (3-0) | ダーメン・ウッド | アメリカ | |
3 | 2014年12月5日 | 〇 | 4R | 判定 (3-0) | ベンジャミン・ブルゴス | アメリカ | |
4 | 2015年1月31日 | 〇 | 6R | 判定 (3-0) | エリック・ゴタイ | ドミニカ | |
5 | 2015年4月25日 | 〇 | 3R(1:33) | KO | ジャマル・パラム | アメリカ | |
6 | 2015年6月20日 | 〇 | 3R | KO | パブロ・クプル | メキシコ | |
7 | 2015年9月15日 | 〇 | 6R | 判定 (3-0) | サム・ロドリゲス | アメリカ | |
8 | 2015年12月29日 | 〇 | 4R | 判定 (2-0) | ジョシュア・グリア | アメリカ | |
9 | 2016年4月19日 | 〇 | 4R(1:37) | TKO | アダルベルト・ゾリラ | プエルトリコ | |
10 | 2016年7月2日 | 〇 | 3R(1:38) | TKO | クリスティアン・レンテリア | メキシコ | |
11 | 2017年4月4日 | 〇 | 8R | 判定 (3-0) | ルイス・サウル・ロサリオ | プエルトリコ | |
12 | 2017年12月8日 | 〇 | 8R | 判定 (2-0) | アダム・ロペス | アメリカ | |
13 | 2018年6月16日 | 〇 | 9R(1:54) | TKO | ヘスス・アウマダ | メキシコ | |
14 | 2018年9月30日 | 〇 | 8R | 判定 (3-0) | ヘルマン・メラス | メキシコ | |
15 | 2019年1月26日 | 〇 | 5R(1:54) | TKO | マルロン・オレア | コロンビア | |
16 | 2019年5月11日 | 〇 | 12R | 判定 (3-0) | パウルス・アムブンダ | ナミビア | IBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
17 | 2019年8月24日 | 〇 | 6R(1:26) | TKO | イサック・アベラール | メキシコ | |
18 | 2020年1月25日 | 〇 | 12R | 判定 (3-0) | アーノルド・ケガイ | ウクライナ | WBOインターコンチネンタル王座決定戦 |
19 | 2021年1月23日 | 〇 | 12R | 判定 (3-0) | アンジェロ・レオ | アメリカ | WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
20 | 2021年11月27日 | 〇 | 12R | 判定(2-0) | ブランドン・フィゲロア | アメリカ | WBC・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦 (WBO防衛1回目) |
21 | 2022年6月24日 | 〇 | 12R | 判定 (3-0) | ダニエル・ローマン | アメリカ | WBC防衛1回目・WBO防衛2回目 |
22 | 2023年7月25日(予定) | 井上尚弥 | 日本 | WBC・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
清々しいほどの勝ちっぷりですね。
プロデビューしてから、これまで21試合を行っています。
(井上尚弥さんとの試合で22試合目になる予定。)
こうして見ると、判定勝ちが多いようにも思います。
また、近年の試合になればなるほど長期戦にもつれこんでいることがわかります。
やはり、王者やそれに匹敵する人に勝つのは容易なことではないのですね・・。
フルトンの獲得タイトル一覧
スティーブン・フルトンさんのこれまで獲得したタイトルは、以下の通りです。
・WBOインターコンチネンタルスーパーバンダム級王座
・WBC世界スーパーバンダム級王座
・WBO世界スーパーバンダム級王座
・IBO世界スーパーバンダム級王座
階級は、スーパーバンダム級です。
スーパーバンダム級とは、体重53.52kg~55.34kgの選手が戦うことができる階級です。
全部で17階級あるうち、6番目に軽い階級です。
最近まで、一つ上のフェザー級に転向しようと考えていた時期もあったそうです。
近い将来、上の階級で戦うフルトンさんを見られる日が来るかもしれませんね。
スティーブンフルトンの強さは?
スティーブン・フルトンさんのこれまでの戦歴を見て、全勝している強い選手だということがわかってきました。
それでは、肝心の戦い方はどうなのでしょうか。
フルトンさんのボクシングスタイルを紹介していきます。
ボクシングスタイルについて
フルトンさんのボクシングスタイルは、オーソドックススタイルと呼ばれるものです。
自身の戦い方について問われた時にフルトンさんはこう答えています。
この時に、「俺の試合は瞬きをしている間に変わる。」「リングの中央でアウトボクシングをすることも、打ち合いになったら叩きのめすこともできる。」とも語っています。
対応力や持久力に対して、自信を持っていることがよくわかりますね。
自分の強みがあるのは素敵なことだね!
また、この戦い方を「型のないボクシング」と呼ぶ人もいるそうです。
つまり、どのようなスタイルの相手でも適応し戦うことができるということ。
様々な戦い方の選手がいる中で、相手によって戦い方を変えることができるというのは、大きな強みですね!
また、ハードな一発を決めるというよりは、徐々に体力を奪っていくという戦いを過去にも繰り広げています。
KOより判定勝ちが多いというのも、このためなのでしょう。
だんだん体力を奪っていくというのも、対戦相手にとっては厄介だろうなあ・・。
【動画】どれぐらい強いの?
それでは、どれくらい強いのか実際の試合の様子を見てみましょう。
こちらは、2021年11月27日に行われたブランドン・フィゲロアさんとの試合です。
12ラウンドまでもつれこんだ試合のため、動画でもなかなかの長尺です。
じわじわと攻撃を重ね体力を削り、ここぞという時に攻めるスティーブン・フルトンさんの戦い方がよくわかりますね。
まとめ
今回は、プロボクサーであるスティーブン・フルトンさんの経歴や戦績などについて調査していきました。
その結果、
・欠損症を抱えて生まれ、父の勧めでボクシングの道へ
・試合ではこれまで全勝し、プロ転向からも21試合全勝
・相手の戦い方によって巧みに戦い方を変えられる選手
・派手な一発よりもじわじわと体力を削りながら戦う
ということがわかってきました。
逆境を乗り越えながら、実力をつけていったことがよくわかりますね。
フルトンさんの試合を、もっと見たくなりました。
井上尚弥さんとどんな白熱した戦いを繰り広げるのか、とても楽しみですね!
↓井上尚弥選手のフルトン戦ファイトマネーや驚愕の年収についてはこちらの記事で公開!