具智元(グ・ジウォン)さんは、9月8日からフランスで開催されるラグビーワールドカップの日本代表メンバーです。
2019年のラグビーワールドカップにおける日本の大進撃が記憶に新しく、具智元さんは2019年にも日本代表として全5試合に出場し、スクラムの要として大活躍をしました。
具智元さんの出身は韓国ですが、実は日本に帰化して日本国籍を取得しているのです。
「なぜ日本国籍になったの?」「なぜ韓国ではなく日本でプレーしているの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、
●具智元さんが日本に帰化した理由
●具智元さんに対する韓国の反応
●具智元さんの家族について
を中心にまとめました。
この記事を読むと、よりラグビーワールドカップを楽しめると思いますので、ぜひ最後までご覧ください!
具智元(グジウォン)の現在の国籍は日本!

具智元さんは韓国ソウル出身ですが、
2019年12月17日、日本に帰化
しています。
具智元さんが日本に帰化したのは、2019年日本で開催されたラグビーワールドカップでの準々決勝を終えて約2か月後でした。
韓国国籍から日本国籍になるという事は、相当な覚悟が必要だったと思いますが、なぜ具智元さんは日本に帰化すると決めたのでしょうか。
その理由について、ここから深掘りしていきます!
具智元が帰化した理由は?
具智元さんが日本で帰化した理由を一言でまとめると、
ラグビーにもっと集中して取り組み、次は日本国籍でW杯に出たい
という思いが強かったためです。
具智元さんと日本の関係性について、過去に遡ってご紹介していきます!

具智元さんは兄の具智允(グ・ジユン)さんと共に、12歳の頃にラグビーを始めました。
ラグビー選手であった父親の具東春(グ・ドンチュン)さんは
より環境の良い本場でラグビーをやってほしい
という気持ちで、兄弟がラグビーを始めてすぐに、ラグビー強豪国のニュージーランドへの留学を勧めたのです。
ニュージーランドでは約1年半滞在し、その後はラグビーを良い環境で続けるため、中学2年生の頃に日本に行く事を決めました。
日本行きについても、当時の韓国でラグビーはマイナースポーツだったため「日本の方がラグビーをする環境が良い」と、父・東春さんがアドバイスをしてくれたんですね。
ちなみに、日本と韓国の世界ランキングや競技人口は以下のようになっています。
【世界ランキング】(2023年8月現在)
●日本:14位
●韓国:30位
【競技人口】
●日本:10万人以上
●韓国:数千人、実業団チームは3つのみ
日本に来てからは大分の中学校に編入し、兄弟で寮生活を始めました。
学生時代の具智元さんは、「強いプロップ(スクラム最前線のポジション)がいる!」と話題に上る、知る人ぞ知るラグビー選手で、
高校時代には高校日本代表に選出、大学時代にはU20日本代表に選出されています。
日本に来た当初、具智元さんは日本語が話せませんでしたが、周囲の人が優しく助けてくれたそうです。
そのおかげでラグビーに専念出来て、仲間とラグビーをするのがとても楽しく、
いつか日本のトップリーグに入ってプレーがしたい、日本代表になりたい、と考えるようになったと話していました。
さらに、大学を卒業し社会人になった頃、日本国籍の取得を具体的に考えるようになりました。

日本人として、具智元さんが日本でプレーを続けたいと考えてくれた事が嬉しいなぁ…!!
そして、2019年のラグビーワールドカップ後、



今後は日本の国籍でワールドカップに出場したい
純粋にもっとラグビーに集中したい
と強く思い、さらにラグビー日本代表メンバー31人のうち8人もの選手が日本国籍を取得している事も後押しとなりました。



2019年の日本代表キャプテンだったリーチ・マイケルさんも日本国籍を取得しているね。
本来であれば、帰化の手続きをして認められるまでには1年ほど掛かってしまうのですが、具智元さんの場合はワールドカップでの活躍もあってなのか、半年というスピードで帰化が認可されました。
ちなみに、ラグビー独自のルールとして、以下3つのうち1つでも条件を満たしていれば、海外選手も別の国代表としてワールドカップに出場できます。
具智元さんは3の条件を満たしているけど日本に帰化したというのは、とても強い気持ちの表れですね。
なお、2019年ラグビーワールドカップで具智元さんと共に戦った五郎丸歩さんは、日本代表で活躍する海外選手について



彼らは母国の代表より日本を選び、日本のために戦っている最高の仲間。国籍は違うが日本を背負っている。これがラグビーだ。
と語っています。



韓国籍のままだと兵役についても考えないといけないから、日本に帰化した1つの理由かも!



具智元さんは日本国籍になる事で、今後も日本代表としてプレーをする!という強い決意をしてくれたんだね。


具智元選手への韓国の反応は?


具智元さんが活躍した2019年のラグビーワールドカップ当時、韓国では政府による「反日政策」が進められていました。
そのため、韓国メディアはこのワールドカップでの具智元さんの活躍をどのように自国で報道するのか、慎重にならざるを得なかったそうです。
具智元さんの活躍については、韓国でも強い関心を持っているファンがいる一方で、
“具智元さんが日本チームの勝利に貢献した”という表現をしてしまうと、韓国政府からメディアにクレームが来る可能性があり
「できるだけ具智元さんの活躍だけをクローズアップした形」で報道するよう心掛けていたとのことです。
当時、ラグビーワールドカップを取材していた韓国メディア関係者は、具智元さんの活躍が日本と韓国の和解に繋がることを願っていましたが、なかなか難しい現状を感じていたとコメントしていました。
中には、具智元さんを韓国の裏切り者扱いするような記事もあったようなのですが、
韓国内でラグビーがマイナースポーツであることもあり、大きなトラブルにはなっていませんでした。
また、韓国でのラグビー仲間は「お前は日本代表でもあるけど、俺たち韓国プレーヤーの代表でもあるんだ」と、具智元さんを応援してくれたと言います。
2022年3月に韓国の新しい大統領となった尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は、これまでの大統領とは異なり親日派のため
9月8日から開催される今回のラグビーワールドカップでは、具智元さんの活躍を報道する韓国メディアの姿勢も以前とは違ってくるかもしれませんね。



なかなか複雑な国同士の関係もあるけど、そんな中で具智元さんは日の丸を背負って戦っているんだね!



ちなみに、日本代表としてラグビーワールドカップに出場した韓国選手は、過去にもう1人いるのよ!
具智元の父親は韓国ラグビー選手
具智元の父親・具東春(グ・ドンチュン)さんは元プロラグビー選手で、
韓国代表の伝説的なプロップ
なのです。


中学生時代にラグビーを始め、大学生で韓国代表となり、12年間に渡って韓国代表選手として活躍しました。
1988年11月に行なわれたアジア大会では、韓国よりランキングが格上の日本との対戦にて強靭なスクラムで圧倒し、韓国をアジア王者に導いた選手です。
また、日本でプレーした経歴もあり、本田技研鈴鹿(現在:ホンダヒート)に所属していました。



元々日本でプレーした事もあって親日だから、具智元さんにも日本行きを勧めてくれたんだね。
ラグビーを始めた息子2人に対して、熱血的な指導をしていた具東春さん。
具智元さんが学生時代に実家へ帰省した時は、自宅近くの上り坂でスクラム姿勢の指導を約1時間行っていたと言います。


具東春さんは、2020年ホンダヒートのスクラムコーチに就任し、2022年に退団しています。
コーチにならないかと誘われた時には、息子2人も同チームに所属していた事があるため「息子に迷惑をかけたくない」との葛藤がありましたが、
息子たちが「お父さんの人生だから、やりたいことをやって」と後押ししてくれて、スクラムコーチ就任を決意したと話していました。





伝説のラグビー選手であるお父さんが熱心に指導してくれるなんて、凄い環境だなぁ…!



上り坂でのスクラムの練習、めちゃくちゃ大変そう(汗)
具智元の家族構成は?
具智元さんの家族構成は、父親・母親・兄・本人の4人家族です。


●父親:具東春(グ・ドンチュン)さん
●母親:具銀淑(グ・ウンスク)さん
●兄:具智允(グ・ジユン)さん
●本人:具智元さん(グ・ジウォン)さん
兄の具智允(グ・ジユン)さんは元・プロラグビー選手です。


ラグビーをするために具智元さんと共に中学校時代ニュージーランドへ留学、その後に来日しラグビーに明け暮れました。
大学~トップチーム加入歴も具智元さんと同じく、拓殖大学卒業後にホンダヒートへ所属しています。
1992年05月2日生まれの31才(2023年9月現在)で、具智元さんより2歳年上の兄・具智允さん。
ポジションはスタンドオフ(SO)、センター(CTB)でしたが、2021年(29歳)にはラグビー選手を引退しました。
引退後、なんとプロ格闘家に転向し、大会でMVPを獲得するなど活躍しています。



幼少期から兄弟で格闘技っぽい遊びをしていたんだって!



兄弟とても似ていて仲が良さそう♪


母・具銀淑さんは、息子2人が日本の寮で生活していた頃、「寂しくて毎日泣いていた」と話しています。
2019年のワールドカップでは、両親で具智元さんを応援しにスタジアムに来ていましたよ。


まさに、「ラグビー一家」な具さんファミリーですね。
そんな具さんファミリー実家の壁一面には、父・兄・具智元さんのメダルやユニフォームなどが所狭しと飾られています。
9月8日から開催されるワールドカップにも、きっとご家族が応援に来ることでしょう!
具智元さんが日本国籍を取得してから、初めてとなる今回のワールドカップ。
2019年と同様、スクラムの要である具智元さんの活躍が期待されています。



今回のワールドカップのスタジアムにも、日本を応援する具さんファミリーの姿がありそうだね♪
まとめ
この記事では、具智元さんの「日本に帰化した理由」「韓国からの反応」「家族構成」についてまとめました。
●「純粋にもっとラグビーに集中したい」という強い気持ちで、2019年12月に帰化した。
●前回W杯当時は反日政策が進められており、韓国メディアは具智元さんが日本代表として活躍している報道について慎重にならざるを得なかった。
●4人家族であり、父・具東春さんは韓国の元プロラグビー選手、兄・具智允さんは日本の元・ラグビー選手で現在プロ格闘家。
なぜ韓国出身の具智元さんが日本に帰化し、日本代表としてプレーしているのか深掘りしてみましたが、いかがだったでしょうか。
具智元さんは中学生時代から日本に住み、強い決意を持って日本代表としてプレーしているのですね。
ラグビーには独自のルールがあり、日本代表として多くの外国人プレーヤーが日の丸を背負って戦っています。
9月8日からフランスで開催されるラグビーワールドカップでの具智元さんの活躍を、一緒に応援しましょう!


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