「初の永世七冠」の異名を持つ棋士、羽生善治さん。
1985年にプロ入りして以来、現在も第一線で活躍しています。
また日本将棋連盟会長にも就任し、これから将棋のさらなる普及にも尽力していくでしょう。
そんな羽生善治さんの年収推移や生涯獲得賞金を調査してみると、全盛期よりは落ち着いているもののまだまだ活動を広げていることや、素敵な人柄も見えてきました。
そこで今回は、
・羽生善治の年収推移を知りたい!
・羽生善治の収入源はいくつあるの?
・お金の使い道は?
・生涯獲得賞金や資産を知りたい!
という点にフォーカスして、まとめていきます。
それでは早速、行ってみましょう!
羽生善治の2023年年収はいくら?

羽生善治の2022年の収入は獲得賞金や対局料で1,600万円でした。
億越えの年収を連発していた頃と比べると、金額は下がってきています。
しかし、2023年6月に日本将棋連盟会長に就任したことを受け、月額の報酬を得られるようになりました。
そのため、2022年より年収は増えることが予想されます。
羽生善治の年収推移!全盛期から今までの獲得賞金・対局料推移一覧
羽生善治さんの年収は、どのように変化していったのでしょうか。
全盛期が始まったと言われる1995年から28年分の獲得賞金・対局料をまとめました。
年度 | 段位 | 賞金・対局料 | 順位 |
---|---|---|---|
1995年 | 竜王・名人 | 1億6,597万円 | 1位 |
1996年 | 名人 | 1億6,145万円 | 1位 |
1997年 | 四冠 | 1億182万円 | 2位 |
1998年 | 四冠 | 1億1,466万円 | 1位 |
1999年 | 四冠 | 7,872万円 | 1位 |
2000年 | 五冠 | 1億595万円 | 1位 |
2001年 | 五冠 | 1億1,519万円 | 1位 |
2002年 | 四冠 | 1億1,048万円 | 1位 |
2003年 | 三冠 | 1億2,910万円 | 1位 |
2004年 | 四冠 | 1億1,272万円 | 1位 |
2005年 | 四冠 | 1億391万円 | 1位 |
2006年 | 三冠 | 9,376万円 | 1位 |
2007年 | 二冠 | 8,132万円 | 1位 |
2008年 | 名人 | 1億711万円 | 1位 |
2009年 | 名人 | 1億1,278万円 | 1位 |
2010年 | 名人 | 1億1,576万円 | 1位 |
2011年 | 二冠 | 9,886万円 | 1位 |
2012年 | 三冠 | 9,175万円 | 1位 |
2013年 | 三冠 | 7,281万円 | 2位 |
2014年 | 名人 | 1億1,499万円 | 1位 |
2015年 | 名人 | 1億1,900万円 | 1位 |
2016年 | 三冠 | 9,150万円 | 1位 |
2017年 | 竜王 | 5,070万円 | 3位 |
2018年 | 九段 | 7,552万円 | 1位 |
2019年 | 九段 | 3,999万円 | 5位 |
2020年 | 九段 | 2,491万円 | 6位 |
2021年 | 九段 | 3,236万円 | 5位 |
2022年 | 九段 | 1,600万円 | 11位 |
一時期は億越えの年収で、賞金ランキングも1位の連続でした。
この表をみる限りですとやはり、タイトルを手にしている時期とタイトルが無い時期の差は大きいようですね。

羽生善治の収入源一覧!収入源は6つ?
羽生善治さんの収入源は、主に6つあります。
●順位戦の基本給
●対局料
●日本将棋連盟会長の報酬
●スポンサー収入
●指導料・講演料
●本の印税
棋士といえど、対局以外にも収入減があるのです。
それぞれの収入源について、詳しく解説していきます。
1.順位戦の基本給
順位戦の基本給は、順位戦で決まる階級によって年間でもらえる金額が変わるというものです。
サラリーマンにも基本給はありますが、それと同じようなものにあたります。

ただ、サラリーマンと違って順位戦の結果によって減額もありえるんだ!
階級別による基本給の金額が、こちらです。
階級 | 金額(予想) |
---|---|
A級1組 | 約800万円 |
B級1組(羽生善治さんは現在ここ) | 約600万円 |
B級2組 | 約420万円 |
C級1組 | 約300万円 |
C級2組 | 約200万円 |
順位戦とは、5つの階級に分かれてリーグ戦で戦うもの。
前年の成績を基にその次の年の階級や基本給が決定します。
2023年現在、羽生善治さんが所属しているのはB級1組。
正確な金額は非公開となっていますが、B級1組の基本給は年間で約600万円です。
もともとはA級1組に所属しており、陥落という形になってしまった羽生善治さん。
しかしB級1組は「鬼の棲家(すみか)」という別名があり、階級を維持するだけでも一苦労です。
熾烈を極める階級の中で対局を重ねながら、虎視眈々と再度の昇格を狙っているのでしょう。
2.対局料
プロとして活動している棋士にとって、一番の収入源である対局料。
その名の通り、相手と対局をすることによって得ることができるんです。
勝てば勝つほど対局が増え、もちろん対局が増えると手に入れる対局料も増額します。
対局をした時点で得られる対局料に加え、一定以上の成績を収めることによりもらえる賞金。
また、7タイトルそれぞれの獲得を争うタイトル戦では、他の対局よりも対局料や賞金が大きく跳ね上がります。
別の記事でも紹介しているのですが、各タイトル戦の対局料や賞金はおおよその金額でこちらです。





1回のタイトル戦に参加しただけでも数百万円、賞金となると1,000万円を越えることもあるんだね!



夢のある世界だなあ・・・。
かつて数々のタイトル戦を制していた羽生善治さんですが、2018年度に27年ぶりの無冠となって以来はタイトル戦に参加するもタイトル獲得を逃しています。
しかし、前人未踏である永世七冠を獲得したほどの実力の持ち主。
「永世7冠」とは、将棋界の8大タイトルのうち、まだ規定のない叡王を除く7タイトルで「永世」の称号を得ること。「永世」となるには、名人なら通算5期、竜王なら連続5期か通算7期、王将なら通算10期と、それぞれに厳しい条件がある。
引用:時事ドットコム
近年の対局料・賞金は5,000万円を下り、かつてほどの金額を手にしてはいませんが、長年の対局料を合わせたらものすごい金額になるでしょうね!
3.日本将棋連盟会長の報酬
羽生善治さんは、2023年6月9日付で日本将棋連盟の会長に就任しました。
将棋連盟とは、将棋の棋士活動を運営する団体のことです。
過去には佐藤康光さん、谷川浩司さんなどが会長に就任。
会長になると、月額41万円を毎月得ることができるため、1年だと以下の金額になります。
41万円×12か月=492万円
また、ボーナスに当たる期末手当も支給。
この金額は「理事会で決定した金額」となっていて正式な金額は公開されていないのですが、仮に年2回で2~4か月分の金額とするとこのような金額になります。
(2か月分の場合)
41万円×2か月分=82万円
(4か月分の場合)
41万円×4か月分=164万円
これを先ほどの月額報酬と合わせると、以下の金額に。
(期末手当が2か月分)492万円+82万円=574万円
(期末手当が4か月分)492万円+164万円=656万円
そのため、会長の報酬は
と推測できますね。



会長職だけでも、サラリーマンほどの年収を得ることができるんだね!
4.スポンサー収入
スポーツ選手や芸能人などにとってスポンサー収入も大きいもの。
棋士も限られた人ではありますが、CMなどに出演しスポンサー収入を得ている人がいます。
羽生善治さんは、過去にはキリンビールやネスカフェなどのCMに出演していました。
また、2021年にはサントリーウェルネス「DHAセサミン」のCMに出演し、バイオリニストの高嶋ちさ子さんと共演しています。
以前からDHAセサミンを愛飲していたそうで、そのことがCM出演に繋がりました。
2023年現在は愛飲者として公式サイトには掲載されているものの、CM出演は高嶋ちさ子さんのみになっているので、CMの契約は終了しているようです。
5.指導料・講演料
プロの棋士となると、将棋教室で指導者として呼ばれることも講演会が開催されれることもあります。
将棋教室での指導や指導対局などにおいては、1回の指導料の相場は3~4万円です。


将棋教室での指導をメインの仕事としているのは、一般的に稼ぎが少ない棋士だと言われています。
しかし、羽生善治さんは今や日本将棋連盟会長です。
将棋の普及に尽力していくという立場のため、度々指導を行っています。
そして羽生善治さんは、講演会も多く開催。
直近の2022年・2023年だけでも
・東京商工会議所 健康づくり・文化推進委員会
・ミリカ文化講演会
・昭和大学リカレントカレッジ 第1回 特別講演会
・たかしん経済クラブの第1回講演会
・読売広論セミナー
などの講演会に参加し、「将棋の魅力」や「これからの将棋界」などについて講演を行っています。
羽生善治さんほどの知名度や人気があり、「史上初の永世七冠」という唯一無二の称号を持っているとなれば講演会にも引っ張りだこですよね!
有名人の講演料の相場は、
コメンテーター・元アスリートなど:31万円~60万円
メディア露出が多いタレント・専門家など:61万円~100万円
と言われています。
もっと下や上の価格帯もありますが、羽生善治さんだと上記2つのいずれかになると予想できますね。
そのことから1回の講演会で31万円~100万円の講演料が入ることになるでしょう。
その講演会が多く行われると考えると、講演料だけでもなかなかの金額が入ることになりますね!
6.本の印税
羽生善治さんは、多くの本の執筆や監修に携わっています。
将棋初心者向けの入門書やこれまでの経験を基にした実用書などが中心です。


また、子供向けの書籍も多く携わっています。





よく知っている棋士の本だと、子供にとっても将棋をやってみたいと思えるよね!
これまで執筆や監修を行っている本は、一部だけでも
・将棋のひみつ 見かた・楽しみかたがわかる本 知るほど面白い棋界超入門
・羽生善治のこども将棋入門
・羽生善治の みるみる強くなる 将棋入門
・マンガではじめる! 子ども将棋
・羽生善治の脳トレ 一手詰
・羽生善治 闘う頭脳
など、ここでは挙げきれないほどです。
他にも羽生善治さんを題材とした本も多いので、関連書籍も含めるとかなりの印税が入ってくることになるでしょう。
羽生善治のお金の使い道は?
多くの収入源がある羽生善治さんですが、稼いだお金は何に使っているのでしょうか。
羽生善治さんの子供は1997年生まれと1999年生まれなので、25歳と23歳。(20023年6月時点)
子育ても落ち着いてきている年代なので、育児のために多額を使っているというわけでもないでしょう。
将棋雑誌である「将棋世界」の2021年のインタビューで、竜王戦の賞金3,200万円の使い道について尋ねられた際
物が欲しいというより、竜王が欲しいですね。
と答えています。
タイトル戦にかける情熱がよくわかりますが、同時に物欲があまりないということもわかりますね。
実は羽生善治さんは、慈善活動を多く行っています。
東日本大震災の際には、他の棋士と共に街頭で寄付を呼び掛けていました。
また寄付も積極的にしていて、子供ができるまでは収入の半分を寄付に使っていたそうです。
その当時はすでに収入が多かったのですが、寄付を行っていた理由について
身の丈以上の幸運は感謝して還元すべきと思ったから
と語っています。
羽生善治さんの素敵な人柄が伺えますね!
まとめ
羽生善治の年収
●近年収入は減っているものの、会長就任により2023年収入は増えるかも
●収入源は主に基本給、対局料、日本将棋連盟会長の報酬、スポンサー収入、指導料・講演料、印税の6つ
●物欲は無いものの、多額の寄付や慈善活動にお金を使っている
●寄付などにより貯金していない時期があるため、収入の割に資産は少ないと思われる
今回は、棋士である羽生善治さんの年収について調査しました。
年収だけを見れば落ちてきているものの、日本将棋連盟会長として将棋の普及に努めていることがよくわかりましたね。
また、慈善活動をよく行うという素晴らしい人柄も見えてきました。
棋士としても、将棋を広める立場としても活動を続ける羽生善治さん。
これからの活躍にも、注目していきましょう!





